2018年に書いた詩。「えんゆか」は、「えん」と「ゆかり」の造語。

「お気に入り」

ひそかに気に入って 使っていたボールペン

使いずらいねコレ 使えないよコレ
そう言われた
そんなことないよ!
そう返したけど

インクが切れたから
ずっと使わないで放置してた
ずっと 気になってた

自分は気に入ってるものって あるよね

インク入れた
これから使う
これからも 今まで通り使う

あの人にとって 使いずらいだけ
わたしにとっては 使えるから

自分の お気に入りだから


「あなたを撮りたい」

家の角の黄色のたんぽぽ 雑草かと見間違うほど
勢いよく逞しく開く だって今だもの
彼らだけじゃない

桜が散った 待ってました
物悲しく思う暇など与えはしない
だって今だもの あなたも そう思うでしょ

主役は自分 次々に咲き誇る 華花はな

さあ また写真撮りに行こう
命を撮りに行こう

命の色
眼で観て レンズ越しに見て パソコンでまた見る

3度も味わえる
夢中で撮る 足が疲れても 構わないほど

あなたのお名前なんていうの?知らない知らない
でも撮りたい
わたしのお名前なんていうの?構わない構わない
好きなだけ 撮って良いよ

開いている時だけなの
風に揺れても 影も日向も 雨を受けても
閉じるまでに いちばん綺麗なわたし
好きなだけ 撮って良いよ

三昧だね


「相対関係」

どうしたらいいか わからない
表情 仕草 見る方向
立ち位置 ポーズ どんな感じ?

あなたは 何を 求めているの?
あなたは なぜ わたしを選んだの?

どうしたらいいか 教えて欲しい
笑う? ここでいいの? これでいいの?
指示待ち 手持無沙汰 固い苦笑い

わたし どうしたら いいのかしら?
あなたの 意図が わからないのよ

あなたは 何を 求めているの?
あなたは なぜ わたしを選んだの?

わたしの 意図待ちですか?
あなたも 少しは なにか言ってよ

あなたは どうして そこにいるの?
わたしは どうして ここにいるの?

目が合うのが先か 口が開くのが先か

あなたも 少しは わたしを見てよ


「お母さんが泣いた」

お母さんが 泣いた
お見舞いで さよならする時 泣いた

嬉しくて と 泣いた

背を向けて帰る 娘ふたり
残酷に 病院に置いていくから

悲しかった からじゃないのか
寂しくなった からじゃないのか
一緒に帰りたい 叶わぬ願い

お父さん 行ってほしくなさそうだった
夫の愛 なのだろうかな
妻を連れて帰れない 申し訳なさ

わたしたち 娘だから
娘として お母さんに愛を伝えよう

会える時に 会っておこう

お母さんに 育ててもらった
産んでくれて ありがとう
一生 忘れない 死ぬまで 忘れない

泣かせて ごめんね
また 会いに行くからね


「金と銀と銅」

胸から下げるメダルの色よ
輝きし 金銀銅 
拍手送りし 笑顔と涙

選手の瞳の 色イロいろ
肌も髪の毛 色イロいろ

民族衣装も 色イロいろ
国の国旗も 色イロいろ

あの国 その国 色イロいろ
あの人 この人 色イロいろ

あなたと わたしも 色イロいろ

昨日は金? 今日はどう?

金銀銅 国も人種も 越えなさい

血の別を 越えなさい

戦う時 競う時 演じる時 いざという時

人は ひとつに なり
人を 超える


「一瞬」

始まるか 始まらないか
何が 決めているの

運命は 誰が動かしているの
誰が決めて 鍵を握っているの

ドキドキして
どうしたらいいか わからない
恐いから
やったことが 無いから

誰でも そうですよ

頑なな手 広げなさい
握りしめていないで 広げるのです

広げないと 掴めないのですよ

あなたが 開くと 入りますよ
あなたの 手の中に
あなたの 視界に
あなたの 胸に
あなたの 心に

あなたの 中に

あなたが 手を握り返せば
始まって しまうのですよ

開きなさい 広げなさい
掴んだら 離さないのです


「あなたが拒んでる」

あなたのように なりたい

あなたのように 華やかで
あなたのように 明るくて
あなたのように 強くて
あなたのように 楽しそな

わたし あなたに なりたいの

なれるよ
あなたも 同じように やればいい
あなたも 同じように すればいい

あなたと わたし そんなに違わない

やるかやらないかだけ?
わたし あなたのように すごくない

ううん 違うよ
あなたが やらないって 決めてるの
あなたが やらないこと 選んでるの

あなた自身で 拒んでいるのね